作家、小路幸也(しょうじ・ゆきや)さん。シリーズのタイトルはすべてビートルズの曲から。「今回は明るい曲調のものにしてみました。中学のとき、放送部で毎日流した思い入れのある曲です」という=2015年5月8日(塩塚夢撮影)【拡大】
2006年に登場した『東京バンドワゴン』は、我南人をはじめとする8人家族から始まった。春夏秋冬、それぞれの季節に舞い込む本にまつわるちょっとした謎と、その裏に織りなされる笑って泣ける温かな人間模様が現代人のハートをつかみ、ほぼ年に1回のペースで刊行を重ねてきた。
人気の秘密は、個性的なキャラクターにあるだろう。当主は頑固な勘一。その息子で還暦を過ぎても金髪の我南人、我南人の長男で物書きの紺と、次男で出会った女性をとりこにしてしまう美男子の青、一家を温かく見守る故人(!)のサチ-。「最初にサチが一家をざっと紹介するというのが定番になっていますが、ホームドラマの形式を借りました」
さらには、初めての読者でもすっと世界に入り込める読みやすさ。「テンポってすごく大事ですよね。最初の頃は、『はい、ここでCMが入る!』なんて考えながら書いていました(笑)。こちらも、ホームドラマの体裁です」