記者会見で年内の辞職を発表する国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッダー会長=2015年6月2日、スイス・チューリッヒ(ロイター)【拡大】
「欧米の独善」併せ報道を
筆者は1971年から2003年まで、日本卓球協会の国際交流関係委員として、国際大会の組織活動をつぶさに見る機会に恵まれた。その間に日本人が国際組織の役員になる過程や組織と用具、ウエアメーカーとの関係なども知った。卓球の発展のためのコーチ派遣や備品寄贈といった現地の要請に応えるため、今回の汚職事件でも話題のカリブ海諸国に行ってきたこともある。途上国援助自体はいいことで、悪いのは今回のような見返りの要求であり、日本は断じて行っていなかった。
W杯や五輪の招致活動は国家的規模で動く。例えば、1988年の五輪は韓国のソウルで行われたが、開催権争いをしたのは日本の名古屋市であった。自治官僚出身の仲谷義明(なかや・よしあき)愛知県知事(当時)は、韓国のロビー活動に敗れ、失意のうちに引退。ソウル五輪が終わった後、開催を見届けたかのように自殺した。