日本軍最後のトーチカがあったとされるラストコマンドポストでは、団体客が砲身にぶらさがったりしながら記念写真を撮り合っている。会話から判断すると中国人のようだ。静かに犠牲者の冥福を祈れないものか。ため息しか出ないが、日本のガイドブックにバンザイクリフで万歳をする若者の写真が載っているというから不謹慎なのは日本人も一緒らしい。
ツアーガイドのバルシーナス米子さんは米軍上陸地、刑務所跡、飛行場跡に残る防空壕(ごう)など観光ルートから外れた戦跡を中心に案内している。米軍上陸時に奮戦した黒木大隊玉砕の地は、碑と砲が残されているが私有地のため日本人の訪問者は皆無という。
日本からの慰霊団を見るたびに「案内したい」との思いが強くなり、十数年前から知られざる戦跡を巡るツアーガイドを始めた。「自分探しとか言ってイスラムに行く日本の若者がいるけど、その前にサイパンの戦跡を回ってほしい」と強く訴えた。(産経デジタル 長浜明宏/撮影:カメラマン 佐藤良一/SANKEI EXPRESS)