「よい映画祭は、普段考えない本質的なことを、立ち止まって考えられるような場所。そういう体験を(4姉妹を演じた)4人にさせたいなと思ってカンヌ国際映画祭に連れて行きます」と語る是枝裕和監督=2015年4月30日、東京都港区(寺河内美奈撮影)【拡大】
本作は吉田秋生(58)の人気コミックを実写映画化。是枝監督は、人々の営みを長く見守ってきた古都の海辺で、“4姉妹”が共同生活を始め、それぞれに自分の居場所を見つけ出そうとする姿を描くとともに、家族の家族たるゆえんも探った。
《鎌倉の大きな一軒家で暮らす長女・幸(綾瀬はるか)、次女・佳乃(長澤まさみ)、三女・千佳(夏帆(かほ))の香田家3姉妹のもとへ、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。葬儀に出席するため山形県へ向かった3人は、異母妹にあたる14歳の少女、浅野すず(広瀬すず)と出会う。すでに実母を亡くし、父の死で頼れる身寄りがいなくなってしまったすずに対し、幸は葬儀の後、「鎌倉で一緒に暮らそう」と提案する》
意識したわけではない
桜、花火、葬儀-。日本の四季や暮らしの中にしのばされた美しさが優しいタッチで切り取られている。その映像が醸し出す静かで端正な佇まいに、名監督、小津安二郎(1903~63年)を想起する映画ファンも多いだろう。「是枝版海街diary」制作にあたっては、小津監督を意識した部分もあったのだろうか?