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【国際政治経済学入門】「税収弾性値」財務省の欺瞞見抜いた新浪氏 (3/4ページ)

2015.6.17 09:30

税収弾性値は景気回復のとき大きく伸びる=1999年~2014年度

税収弾性値は景気回復のとき大きく伸びる=1999年~2014年度【拡大】

  • 首相官邸で開かれた経済財政諮問会議に出席するサントリーホールディングスの新浪剛史(にいなみ・たけし)社長(左側列の左端)=2015年1月30日、首相官邸(酒巻俊介撮影)

 「1.2~1.3という新浪案も低すぎるじゃないか」との冷めた見方もあるだろうが、拙論は政治的インパクトの大きさに期待する。というのは、新浪氏は諮問会議の民間議員としておそらく初めて、デフレ主義の財務官僚の欺瞞(ぎまん)を見抜き、正論を唱えたからだ。本来なら、諮問会議の重鎮である東大某教授などが発言すべきなのだが、財務省の意に沿う発言を繰り返してきた。だから、今更、「弾性値1は間違っていました」と訂正するわけにはいかない。さりとて、1にこだわっていたら、新浪氏に軽く論破されて大恥をかく。

 グラフは1999年度から2014年度までの一般会計税収の弾性値の推移である。デフレ期は経済の安定成長期に比べて税収が上下に大きく弾む傾向があるのだが、それにしても1や1.2~1.3というのは、きわめて低い。しかし、数字は微小でも政治的には大きな一歩である。

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