6月18日、香港の立法会で次期行政長官選挙の制度改革案が否決され、記者会見する民主派議員たち=2015年、中国・香港(AP)【拡大】
立法会の近くでは親中派と民主派の市民ら数百人が連日集会を開き、ののしり合う場面もあったが、大きな混乱はなかった。今回の採決では、一部の急進民主派らが議場乱入などの騒ぎを起こす恐れがあり、警察は立法会の内外に警官を配置して警戒に当たった。
選挙制度をめぐっては昨年9~12月、民主派デモ隊が街頭に座り込むなどして占拠活動を展開したが、政府側は譲歩しなかった。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)
≪メンツ失った中国、圧力強める恐れ≫
親中派の香港政府が中国共産党政権の方針に基づき、立法会(議会、定数70)に提出した次期行政長官の選挙制度改革案が否決されたことで、共産党政権側と香港民主派の亀裂は一段と広がった。昨年9~12月の大規模な街頭占拠デモに続き、香港社会でも親中派と民主派の対立が深まった形だ。ただ、改革案が可決されても否決されても、政権側が認めた人物以外は事実上、当選できない制度に代わりはなく、民主派は厳しい立場に追い込まれている。