現代の生活へ
この2つの軸をベースに石田さんは熟考を重ねた。「京都の工芸は日常生活で用いられてきた。その彩りを演出する顔料も身近に使ってもらいたい」という思いから自分の身の回りを見渡したところ、「現代の女性は爪をキャンバスとして楽しんでいる」ということに気づいたという。化学製品のマニキュアでは肌を痛めてしまうということも知り、天然材料の胡粉でネイルアートができる「胡粉ネイル」を開発した。
京都の色彩文化を受け継ぐ老舗顔料商としての物語を持ち、石田さん自身のように現代の女性が求める品質を備えた「胡粉ネイル」は大人気となり、今では全国の化粧品店で扱われるようになった。現在ではネイルのみならず、リップやハンドクリームなどにも商品を展開している。