国連の「障害者権利条約第8回締約国会議」で、日本財団が開催したサイドイベントでは、リアルタイム字幕(右上)や国際手話を取り入れ、障害者を含む約110人が参加した=2015年6月9日、米ニューヨーク(日本財団提供)【拡大】
東日本大震災では、障害者の死亡率が健常者に比べて2倍以上に達したといわれている。防災本来の目的に立ち返れば、障害者を含めた枠組みの策定は不可欠だ。日本財団やさまざまな障害者の市民グループが繰り返し働きかけを続けた結果、会議では障害者参加を枠組みの目標に盛り込むことができた。もし何も行動を起こさなければ、障害者の視点が反映されないまま枠組みの合意に至っていたに違いない。
これはほんの一例にすぎない。障害者の人権という領域から一歩出ると、障害者の十分な参加がないままに、さまざまな分野で国際的な意思決定がなされている。国連も、各国における障害者権利促進の旗振り役を担う一方で、障害者が意思決定プロセスに参加する体制を整えるには至っていないのが現状だ。
アクセシビリティー なお課題
今回のサイドイベントは、国連経済社会局(UNDESA)や日本とエクアドルの両国連代表部、障害者の国際NGOなどの協力で実現。日本財団が設立にかかわった「障害と公共政策サイバー大学院」(IDPP)による「障害者の国際意思決定プロセスへのアクセシビリティに係る調査研究」の中間報告のほか、第3回国連防災世界会議での国連国際防災戦略事務局(UNISDR)による障害者参加の実践が紹介された。