国連の「障害者権利条約第8回締約国会議」で、日本財団が開催したサイドイベントでは、リアルタイム字幕(右上)や国際手話を取り入れ、障害者を含む約110人が参加した=2015年6月9日、米ニューヨーク(日本財団提供)【拡大】
続くパネルディスカッションでは、さまざまな立場から活発な議論が展開された。国連障害者権利委員会のマリア・ソレダード・レイエス議長は「障害者を新たに10番目のメジャーグループに加えることは非常に重要である」との考えを示し、「障害者が会議に参加するにあたってのアクセシビリティー確保は、一定の成果を上げつつあるが、国連職員のキャパシティー・ビルディング(組織的な能力の構築)なども含めて課題が残されている。障害者は人権分野に限られたトピックではなく、開発を促進するためにも横断的な取り組みが必要だ」と話した。
また、国際NGO「障害者インターナショナル(DPI)」のジャヴェッド・アビディ代表も「10億人もいる障害者がメジャーグループに属していないが、このことは誰もが問題提起できるわけではない。障害者の70~80%はおそらく国際社会で何が起きているのかさえ知らないからだ。だからこそ、われわれが現状の課題に立ち向かわなければならない。このサイドイベントはその始まりだ」と語った。
今年9月には国連でサミット(首脳会議)が開かれ、今回の会議のテーマにもなった15年以降の国際開発目標が採択される見込みだ。草案は「誰も取り残さない(no one will be left behind)」とうたっている。その実現に向け、障害者参加の視点は必須の条件だ。(日本財団ソーシャルイノベーション本部 杉本裕子/SANKEI EXPRESS)