首都アテネの国会議事堂前でデモ行進する市民たち=2015年6月30日、ギリシャ(ロイター)【拡大】
しかし、EUとの交渉がまとまらなければ、ギリシャは今後も対外債務を支払えない。デフォルトが相次げば、落ち着きを取り戻した国際金融市場が揺さぶられる恐れもある。「一刻も早い解決を期待する」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)との各国の声は日に日に高まっている。
チプラス首相は4月と6月にロシアを訪問してプーチン大統領と会談。ウクライナ危機でEUと対立するロシアとの蜜月ぶりを演出し、EUを揺さぶる「奇策」に打って出たが、支援打ち切りというEU側の「兵糧攻め」にギリシャ国民は疲弊。銀行預金の引き出しもままならなくなった暮らしに不安を募らせる。
「ここまで来たら譲歩するしかない。ユーロ圏から出たらギリシャは大変なことになる」とディミトリス・クリストプロスさん(67)。5日の国民投票でEUの緊縮策に賛成票を投じるとの声が急速に広がり始め、チプラス首相を追い詰める。ギリシャ首相府は1日、同首相が緊縮策を条件付きで受け入れるとの書面をEU側に送付したと明らかにした。
見当たらぬ即効薬
しかし、EUとギリシャが歩み寄って危機を回避したとしても、ギリシャが慢性的な財政赤字を解消するのは容易ではない。国内に競争力のある製造業がなく、税収不足が続いているためだ。汚職や脱税も深刻で、2009年には当時のパパンドレウ首相が前政権の財政赤字粉飾を暴露して世界を驚かせた。