だが、存在感が高まるほどマークの激しさも増す。「(相手守備陣から)厳しく来られている」と漏らし、27歳で臨んだ今大会は2得点に終わった。「自分自身がチームに対して何か役割を果たせたかというと、自信を持って言えることはない」と無念さをにじませた。
試合後は泣きじゃくる仲間を慰めるように抱きしめた。最初は笑みを浮かべていた大儀見も徐々に口元がゆがむ。空をにらんだ真っ赤な瞳からは、今にも涙がこぼれそうだった。
≪「魔の16分間」序盤で決した≫
試合終了の笛を待てない様子で、米国ベンチから選手たちが飛び出した。史上最多3度目の女子W杯制覇に歓喜の輪ができ、5万人を超える観客で埋まったスタンドの「USA」コールが止まらない。序盤で勝負を決めた圧勝劇に、ハットトリックの3得点を決めたロイドは「言葉では表現できない。私たちは歴史をつくった」と興奮を抑えられない様子だった。