「僕は何と言っても俳優デビューが『ごくせん』ですから。教師役といえば、『ごくせん』に登場する先生たちはばっちり印象に残っていますよ」と語る、俳優の高良(こうら)健吾さん=2015年6月7日、東京都港区(宮川浩和撮影)【拡大】
「演じている僕を見て、お客さんが『(その場面に)自然に溶け込んでいるな』と感じてくれたらうれしいですね」。かつて行ったインタビューの途中、高良(こうら)健吾(27)は、遠くを見つめるような表情で何度も役者として目指すビジョンを口にしていた。あれから2年、主演映画「きみはいい子」(呉美保(お・みぽ)監督、東京・テアトル新宿ほかで公開中)で初めて挑んだ小学校の教師役では、そんなひたむきな高良の切磋琢磨(せっさたくま)が結実し、本人も確かな手応えを感じることができたようだ。
映画「きみはいい子」で教師
「僕がまだ20代の前半だったら小学校の教師役は絶対にいただけなかったでしょう。30代になれば、また演じる役もガラッと変わると思うんです。20代でできなかった役について、きっとたくさんお話がくるようになるはず。『きみはいい子』への出演はその入り口になったと感じています。今後、特に30代でいただいた役については、今以上に大切に演じていきたいです」。高良は静かな語り口で役者としての心構えを語った。