「僕は何と言っても俳優デビューが『ごくせん』ですから。教師役といえば、『ごくせん』に登場する先生たちはばっちり印象に残っていますよ」と語る、俳優の高良(こうら)健吾さん=2015年6月7日、東京都港区(宮川浩和撮影)【拡大】
場面に溶け込んだ
初めての教師役に胸を躍らせた半面、役作りでは岡野のイメージがなかなかつかめずに苦労した。「正直に言うと、僕は小学生時代の担任のことはあまり覚えていないんですよ。僕自身もとにかく静かな小学生でしたからね。最初に脚本を読んだとき、自分は教師役をしっかりできるんだろうかという不安しかありませんでした。脚本通りにうまく生徒とコミュニケーションをとれるのかと…」
だが、ふたを開けてみれば、岡野が教室で繰り広げる大勢の児童たちとの激しい“バトル”はごく自然にわき起こり、高良の目指すところの「場面に溶け込む」が見事に体現され、高良は新境地を開いてみせた。どのようにしてその空気をつくっていったのか。
「撮影の合間に、児童役の子供たちとのコミュニケーションを意識的に増やしたんですよ。例えば、子供が僕に『私が書いた絵を見て!』と言ってきたので、一緒に見ました。また、『一緒に(絵の)キャラクターを考えよう!』と誘われたりもしたので、僕は一緒に考えましたよ。そのほかは『芸能人は誰が友達なの?』なんて質問されたこともありましたね。ごく普通のお話ばかりです」。あとは、明けても暮れても岡野とはどんな人物なのかと考えていくという正攻法で挑んだぐらい。「実は僕は岡野の気持ちがすごく分かるんです。岡野の葛藤は誰もが通ってきた道だとも思いますしね。そこを思い出しながら、演技をしている感じでした」