その改装にあたって、園内の図書館施設も新しくつくりなおすことになった。以前あった「動物図書館」にも6000冊の動物に関する書籍を所蔵していたのだが、奥まった場所にあった図書空間には、なかなか人が立ち寄ってくれなかったようだ。今度の新しいライブラリーは、チケットを買うより前にあるフリースペースに立地を変更。つまり、入園券を買わずとも、老若男女だれもが足を踏み入れることができる場所となった。
今回の僕の仕事は、パブリックスペースとなる図書館に新しい本を選び、既存の本に加えて並べること。そして、新しい本と既にある本を融合させて、今まではなかった図書館の引力をつくることだ。
全体のバランス調整
はじめに取り掛かったのは、ライブラリー全体のバランスを整えること。というのも、この京都市動物園には図書館司書がおらず、飼育係の担当者が代々ここの本を伝え継いでいたのだ。