尾鷲牧場のゆったりとしたクリーンな環境で育つ牛たちの牛糞が、竹内農園で土に返っていきます。自然の堆肥から栄養を取り入れることができるようになった樹には強い生命力が宿ります。虫除けに使う忌避剤は紀州備長炭の木酢液。魚、川ガニ、ニンニク、ウコンを漬け込んだ自家製液肥も用います。一見高級に感じる素材ですが、どれも畑の周りにあるものばかり。川ガニのキトサンや、十薬(どくだみ)などの生薬は人の体に良いものだから木にも良いはずという発想です。「自然の持つ力は素晴らしい!」。幸子さんのポリシーが結実した梅の実がおいしくないわけがありません。
栽培した梅のほとんどは、近所のアルバイトの手を借りて梅干しや練り梅に加工し出荷。インターネットを通じて知り合った企業を通じ、全国へ自由な宣伝も販売もできるようになりました。そんな時、今まで考えたこともなかった異業種、化粧品メーカーからの問い合わせが入りました。化粧品原料としてハイクオリティーな「有機梅」を使いたいというのです。話を聞き、即決しました。「食」以外の分野へ新たな道が拓(ひら)けたのです。