そこで、北京は昨年11月17日に香港証券取引所と上海証券取引所の相互取引を解禁した。外国人投資家は上限付きで香港市場から上海株を売買できるようになった。
習政権は相互取引に合わせ、株価の引き上げに全力を挙げてきた。人民銀行は利下げして、投資家が借金して株を売買する信用取引をてこ入れし、党機関紙の人民日報は株式ブームをあおった。株価の上昇速度が鈍ると、人民銀行は追加利下げし、上昇を後押しした。多くの国有企業は株式ブームに便乗して、過剰な設備投資や不動産投資の失敗などで累積した債務を帳消しにしようとし、株式の新規公開や増資でコスト・ゼロの資金を調達してきた。平均株価は6月初旬までの1年間で2倍以上に上昇した。
一方で実体経済の方は停滞が続いているので、株価は明らかにバブル状態である。不安が漂っている中で、6月12日の金曜日に最高値をつけたが、週明けの月曜から暴落が始まった。その引き金を引いたのは、香港経由の「外国人投資家」のようだ。