【食を楽しむ】
「塩麹」をきっかけにここ数年ブームとなっている「発酵食」。“醸造料理人”の伏木暢顕(ふしき・のぶあき)さん(40)は著書や教室、飲食店のコンサルティングなどを通じて、日本の発酵食文化を国内外に発信してきたブームの立役者の一人だ。多彩な“発酵料理”とともに、その不思議で深い魅力を教えてくれた。
伏木さんはもともとイタリアンの料理人。7、8年前にみそ蔵の息子である友人が甘酒と醤(ひしお)を持って来た。日本の醤は麹を熟成させた調味料で、しょうゆとみその起源とされている。「料理を20年以上やっていると、『これに漬けたらああなるな』というのは想像できる。でも、彼が持ってきた醤と甘酒を使ってみると、想像を超えたものが出来上がるんですね。微生物が作り出すその神秘性にはまってしまった」
これまでに累計25万部を超える11冊の著書を執筆。東京を中心に「発酵教室」を開催し、国内外1万人以上に発酵のメカニズムや料理方法などを教えてきた。一方で、沖縄の高級リゾート「はいむるぶし」のコンサルティング、宮城県大崎市や鳴子温泉での地元の食文化を生かした発酵メニューの開発と、発酵を通じた地域活性化にも携わる。