私が越してきたのは、もうそんな光景がすっかり定着してしまったころだったのだろう。公然と積み上げられる私物が増えるたび、すごいなあ、グイグイいくなあ、と私は感心していた。特に車庫用シャッターの真正面に位置する、ある家族の放埒(ほうらつ)ぶりときたら。頭一つ抜けていて、目が離せないものがあったのである。
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ところが、そんなある日、エントランスの掲示板に「住人のみなさまへ」で始まる、警告の張り紙が、画鋲(がびょう)で留められてしまった。くだんの放埒家族が、また新たな棚をひとつ堂々と、追加した矢先だった。やりすぎてしまったのだ。住人たちはそれまで吐き出しに吐き出したものものを、来月までにどうにかしなければいけなくなった。
撤去される前に、私は駐車場をじっくり歩き回ってみた。