東京電力福島第1原発事故をめぐり、旧経営陣3人の強制起訴が決定し、垂れ幕を掲げる「福島原発告訴団」の弁護士ら=2015年7月31日、東京地裁前(共同)【拡大】
≪「想定外」言い訳許されぬ 市民感覚示す≫
東京電力福島第1原発事故を防げなかった東電の元トップらを強制起訴すべきだとした検察審査会の議決は、いったん事故が起きると取り返しのつかない事態を招く原発の安全対策で「想定外」を言い訳にすることは許されないという市民感覚を示した。東京地検の「無制限の安全対策は不可能で、発生確率が著しく低いために考慮しなくともよい危険性がある」との判断を否定し、“理念”に重きを置く検審と“現実”を重視する検察-という従来の構図が再び描かれた格好だ。
ただ、強制起訴の有罪率は検察官による通常の起訴に比べ低い上、多くの人が死傷した大型の過失事件では無罪が相次いでいる。事故当初から多くの専門家が「自然災害に伴う事故で個人の刑事責任を問うのは困難」との見方を示してきた中、裁判所がどのような判断を下すのかに注目が集まっている。
過去に強制起訴された事例は8件。ただ、有罪となったのはうち2件のみだ。さらに兵庫県明石市の歩道橋事故や尼崎市のJR脱線事故などの過失事件では無罪や免訴が相次いでいる。