ブラジルの首都ブラジリアで式典に出席したジルマ・ルセフ大統領=2015年7月28日(ロイター=共同)【拡大】
前大統領も捜査
「汚職」はW杯前からくすぶっていた。国営石油会社、ペトロブラスをめぐり、与党を含む政治家50人以上と企業幹部らが不正リベートを受けていた疑惑は国民の政治不信を招いた。景気低迷や福祉政策への不満も重なり、「W杯への投資を国民生活の拡充にまわせ」との声が高まった。
W杯開幕戦に訪れたルセフ大統領に観客がブーイングを浴びせ、ホスト国の首脳があいさつできなかったことは記憶に新しい。昨年10月の大統領選でルセフ氏は僅差で再選を果たしたが、労働党のルラ前大統領の全面的な支援がなければ、それも難しかった。
最近、ルラ氏にも新たな汚職疑惑が浮上。ペトロブラス汚職事件で幹部らが逮捕された建設会社から海外への渡航費や滞在費を負担してもらう見返りに、受注に有利な取り計らいをした疑いがあるとして、検察当局はルラ氏の捜査に着手した。3日にはルラ政権時代の元官房長官も収賄容疑などで逮捕された。検察幹部は「容疑者がどれほどの権力を持っていても関係ない」と話し、捜査の行方は政権の運営を左右する。