新国立競技場についてのアスリートからのヒアリングで遠藤利明五輪相(左)と握手をするパラリンピック陸上選手、佐藤真海(まみ)さん=2015年7月30日、東京都千代田区(共同)【拡大】
開会式から閉幕式まで、選手たちはスタジアムにある聖火を目にします。そして、聖火を見上げ、「よーし、頑張るぞ」と気持ちを盛り上げて本番に臨むのです。そんなアスリートたちの姿に、満員の観客が大歓声で応えてくれます。
スタジアムの一体感こそが、アスリートにとって最高のパフォーマンスを発揮する原動力にもなるのです。
アテネ、北京、ロンドンと3大会を経験しました。記憶にあるのは、スタジアムの中の「感動」です。もちろん、国を挙げての大会ですから、スタジアムのデザインから凝って造ることは悪いことではありません。
でも、直近のロンドン大会のメーンスタジアムですら、実は外観についてあまり記憶にありません。思い出すのは、熱狂してくれた観客の皆さんとともに味わうことができた高揚感なのです。
ハードよりソフト
同じ時期に出産したママさんたちと、「2020年には、自分たちの子供が5歳になっているね」と、5年後を楽しみにする会話で盛り上がっています。
日本はきっと、世界に誇れるスタジアムを造ると信じています。技術的なことは専門家の皆さんにお任せするしかありませんが、招致の原点に戻って、アスリートの声を大事にしてほしいです。新国立の問題でいったん足を止めたことが、「アスリート・ファースト」に戻るきっかけになればと願っています。