同性婚を理由に学校を解雇されたマージー・ウィンターズさん(右)とアンドレア・ベットーリさん=2015年8月5日、米ペンシルバニア州グレンサイド(AP)【拡大】
2人は30代で知り合い、交際を続けていたが、ウィンターズさんの仕事が教師ということもあり、同性婚の事実はごく一部の親族しか知らなかった。ところがこれに気付いた一部の保護者が問題視したため、彼女は6月22日に学校を解雇された。
2人が結婚式を挙げたボストンがあるマサチューセッツ州最高裁は03年、全米で初めて同性婚を合法と認めたが、厳格なカトリックの世界では同性婚を認めていない。さらに米国では、カトリック系の学校など宗教団体には人種や性的指向などで採用を制限できる特例措置が認めており、解雇は決して違法ではない。
とはいえ、同性婚の合法化は世界的な潮流でもあり、7月には小学校の児童の保護者約200人が解雇の撤回求めて緊急集会を開催するなど、彼女の解雇をめぐって多くの保護者が怒りの声を上げるなど、騒ぎが広がっている。
ネル・ステッサー校長は彼女の解雇について、7月17日付地元紙フィラデルフィア・インクワイアラー(電子版)に「フラストレーション、失意、裏切り、怒り、そして悲しみの感情があることはよく分かっています。私もこの状況に深い痛みを感じています」とつらい心境を吐露し、事態の沈静化に努めた。