WVJが実施する事業では、小学校5~8年生を対象に小学校2校を開校、教員の採用や研修、学用品の配布など学校運営のサポートを行った。何もない草むらを切り開き、本校舎ができるまでの間、プラスチックシートやテントでできた簡易な仮校舎を利用した。
開校準備をしているとき、何人もの子供たちが「学校はいつ始まるの?」と聞いてきた。当時、難民キャンプには学校がなかったため、子供たちの教育に対する期待はものすごかった。
学校が始まると、たくさんの子供たちが通うようになった。40度に迫る暑い日が続き、強風で仮校舎が壊れたりと厳しい環境だったが、子供たちは学校に通い続けた。
「新しいことを学びたい」「友達に会える」…。
学校に通う理由はさまざまだが、子供たちが悲しみに暮れたり犯罪に走るのではなく、仲間とともに将来のために何かをする、教育はそのきっかけになった。
最近、支援対象校の8年生課程を勉強していた生徒490人が、州政府が実施する9年生への進級試験を受験した。週末に補習授業を行って生徒の受験をサポートしてきた南スーダン難民の担任教員たちも、固唾をのんで試験を見守った。試験を終えて出てきた子供たちの顔は、達成感に満ちていた。