日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
戦争のある時代に生まれ、青春を謳歌(おうか)することもできずに亡くなった多くの英霊方。私たちはその無念さをしっかりと胸に刻み「生」の重さ尊さ、戦争の悲惨さを痛感し、二度と戦争はあってはならないと再認識する場が靖国神社なのだと思います。5月末に檀家(だんか)さんたちと一緒に参拝に行って参りましたが、驚くほど多くの人々が参拝に訪れていました。静かに手を合わせる方々の胸に、御霊への感謝と安らかに眠ってくださいという切なる思いがあるのでしょう。祀(まつ)られている英霊方にとってそのような温かな心が何よりうれしいものであるに違いありません。
「靖国神社=宗教」ではない
靖国神社は英霊方を「神」として祀っています。以前にも書きましたが日本の「神」はキリスト教などの天地創造主、超越的絶対者の「神(GOD)」とは違います。古来より皇室の祖先、また地域社会のために命がけで尽力された英雄や偉人亡きあとその功績をたたえて「神」と崇(あが)めているのです。靖国神社はもともと国が護持していましたが、戦後GHQの政策により神社仏閣はすべて宗教法人として統一されてしまいました。そのため現在は「靖国神社=宗教」と考える人が多数いますが、日本の伝統文化であり宗教とは別次元と考えられるべきです。