日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
また日蓮聖人のお言葉に「神というのは崩御された国主等を生身の如く崇め奉るもの」とあり、さらに「片時も背かば国安穏なる可からず」と、感謝をもってお祀りしなければ国家は安穏にならないと仰せです。自国を護(まも)るために戦死した方々に感謝しないことは不知恩であり、人も国も仏神から守られないのです。
各国には「戦士の墓」が必ずあり国家で追悼しています。日本の「戦士の墓」が靖国神社です。まして一銭五厘の赤紙1枚で国が召集したのですから、国家として慰霊する責務があり他国から内政干渉される謂(いわ)れはまったくありません。総理大臣も国民も堂々と追悼し、鎮魂の祈りを捧(ささ)げましょう。
≪歴史は一人一人に内在するもの≫
今私たちは歴史の最先端を歩んでいます。振り向いてみれば両親、その後ろには祖父母。さらにその後ろには数えきれないほどのご先祖が、遡(さかのぼ)る歴史の上に存在しています。つまり歴史とは私たちの外にあるものではなく、一人一人に内在しているものです。師匠は「国家を愛する、国家を護るという心がない人は、家庭や人を守る意識を持てない人間になる。国をないがしろにすることは、歴史や文化をないがしろにすることと同じだ」と教えてくださいました。