今は酒を飲まない輝子さん。数年前、帯状疱疹が悪化して搬送された際、救急車の中で陽子さんに「酒ばかり飲んで何やっとんのや」と叱られたような気がしたからだ。
笑顔はとたんに涙に
事故30年のこの日、夫妻はつえをつきながらゆっくりと尾根を登った。「来たよ」。息を切らし、笑顔で墓標の前に。輝子さんは墓標の写真を拭うと、とたんに涙があふれる。花やお菓子を供えた親吾さんは神妙な面持ちになった。「事故で亡くなった520人の家族や親戚がそれぞれ苦しんだ。こんな思いをするのは、わしらで最後にしてほしい」(SANKEI EXPRESS)
■日航ジャンボ機墜落事故 1985年8月12日午後6時56分、羽田発大阪行き日航123便ジャンボ機が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落。女性4人が救出された。78年に米ボーイング社の作業員が後部圧力隔壁の修理でミスをして亀裂が発生、日航の点検でも発見できなかったのが原因とされる。群馬県警は業務上過失致死傷の疑いでボーイングや日航、運輸省(当時)の20人を書類送検したが、全員不起訴処分となった。