インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で、「無人偵察機」の飛行をめぐり、両国が非難の応酬をしている。パキスタン側はインドが「領空侵犯」をしたとして証拠写真を公表したものの、インド側は真っ向から否定し、両国の緊張関係の火に油を注いでいる。
領空侵犯と越境テロ
ことの発端は、7月15日のパキスタン軍・外務省の発表だった。インドの無人偵察機がカシミール地方の実効支配線(停戦ライン)を越えて、パキスタン支配地域の上空に侵入し、航空写真を撮影していたと主張、無人偵察機は撃墜された。
パキスタン側は墜落した機体の写真を発表し、駐パキスタン・インド大使を呼び出して、インドに強く抗議した。
インドはすぐに反応した。外務省のスブラマニャム・ジャイシャンカル次官(60)はこの日、緊急の記者会見を開き「機体はインドで設計されたものではなく、インド軍が所有しているものでもない。中国で設計されたものとみられ、すぐに手に入るものだ」と述べた。