祭りは、田植えや稲刈りなど稲作のカレンダーに合わせて開かれるものが多い。豊穣(ほうじょう)の象徴として稲が飾られている神輿(みこし)も多い。祭りの背景に日本独特の稲作文化があることは、英国人の私にもすぐ理解でき、共感することが多い。というのは、私の出身地のケントは、「英国の庭」と呼ばれるほど農業が盛んで、自然との関係が密接な土地柄だからだ。小学生の頃は、毎年1回、地元で収穫された新鮮な穀物や果物、野菜などを教会にささげる「収穫祭」のような行事があった。ただ、日本の楽しい祭りと違ってもっと厳格で宗教的だった。現在は若い人が参加しなくなり、途絶えてしまった。日本の祭りは、単純に楽しいから、若者から年寄りまで誰もが参加し長く続いているのかもしれない。
祭りを観察していて気がついたのだが、祭りは「日本人の自然に対する深い愛情の表れ」ではないかと思う。日本人が祭りに参加する理由の一つは季節感を味わいたいからだろう。自然の少ない都心部で多くの祭りが続いているのも、自然との関係を残したいという思いの表れではないだろうか。
各地でお盆祭りが行われる季節になった。大都会の東京で、稲作文化をルーツとする祭りが何百年も続いていることに驚嘆する。(写真・文:フォトグラファー ディモン・コルター/企画:海外メディアコーディネーター 瀬川牧子/SANKEI EXPRESS)