車内の冷房ですっかり冷やされていた体の温度が、ぐんぐん上昇していくようだ。鎌倉駅から15分ほども乗っただろうか、かつて塩の道と呼ばれた県道金沢鎌倉線(金沢街道)の浄明寺停留所でバスを降りる。
少し歩くだけで、たちまち汗が噴き出してきた。
進行方向をすぐ左に曲がると、突き当たりに鎌倉五山第五位、浄妙寺の門がある。付近の地名やバス停は浄明寺。一文字だけ異なる地名が使われるようになったのは江戸時代のことで、格式の高いお寺に遠慮をしたからだという。
鎌倉の竹の寺として有名な報国寺はバス通りをはさみ、その反対側の谷戸の奥にある。県道を少し戻ってから滑川にかかる華の橋を渡ると、緩やかな上りの坂道が続く。
木陰を拾いながら蝉時雨(せみしぐれ)の坂を100メートルほど。この暑いのに谷戸の木立では、ウグイスが気持ちよさそうに鳴いている。それだけで少し涼しくなった気がしてくるから不思議ですね。
でも、ここはひとまず、こまめに水分補給。熱中症には注意しよう。
浄妙寺と同じく、報国寺も臨済宗建長寺派の禅宗寺院で、1334(建武元)年に仏乗禅師を開山、足利尊氏の祖父、家時を開基として開かれた。パンフレットには「禅とお茶と竹の庭」と書かれている。