豊岡では絶滅前からコウノトリを増やす運動が始まった。65年に野生の個体を捕まえて人工飼育を開始した。24年間試みたが、ヒナはかえらなかった。
85年にソ連(当時)から幼鳥6羽を譲り受け、89年に待望のヒナが誕生。以降、毎年生まれ、2005年に5羽を自然に放鳥し全国ニュースになった。
おいしいコメ「収量多い」
コウノトリは、ドジョウやフナを1日に約500グラムも食べる。そのため餌となる動物が生息できる環境が大切だ。
地域では、コウノトリが生息できる環境づくりとして、まず減農薬、無農薬に取り組んだ。田には長い期間、水を張って多くの生物が生息できるようにした。これらを地元ではコウノトリ農法と呼び、できるコメはコウノトリ米とした。
「一昨年から、専用ポット(鉢)で苗を育てて専用機械で植え始めました。茎が太く根付きがいいので翌日から除草機械を使用でき、養分の吸収もいいです」と言うのは豊岡市農林水産課の瀬崎晃久係長だ。「おいしいコメが作れる上に収量も多い。田んぼを水深10センチと深くできるため水生生物が増えてきました。ぜひ、この農法を全国に広げたいですね」。コウノトリ米は他のコメと比べ値段は高いが、よく売れているという。