ホワイトハウスで、火力発電所の二酸化炭素排出規制について演説するバラク・オバマ米大統領(右)=2015年8月3日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
大統領選への追い風狙う
またEPAはCO2排出量削減のために省エネの取り組みが進むことを考慮すれば、電力の使用量は減少し、結果として電気料金の総額は下がると主張。新規制によるCO2排出量の削減やそれに伴う大気汚染物質の減少は農作物の生産性向上や健康被害の減少などをもたらすとし、こうしたプラス効果も考慮すれば、「30年時点で250億~450億ドルの利益が生じる」と試算する。
ただしオバマ氏の発言からは新規制を旧来のエネルギー産業と再生エネルギー産業の対立の構図でとらえる本音も透けてみえる。オバマ氏は「反対派は再生可能エネルギーへの投資は無駄だから削減すべきだと主張しているが、石油関連企業に年間数十億ドル(数千億円)の補助金を費やすことには好意的だ」と述べ、気候変動問題対策の背後にある予算争奪戦の存在を指摘した。
オバマ氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、「TPPによって各国の環境保護規制が貿易障壁として問題視される恐れがある」とする環境保護派の反発を押しのけてきた。オバマ氏には新規制で改めて気候変動問題重視の姿勢を示すことで、来年の大統領選や議会選挙に向けた民主党への追い風にしたい思惑もありそうだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)