小さな視点で自然描く
《ぜんそくに苦しむ少年、オンドラ(オンジェイ)はテディベアのクーキー(声・オンジェイ)がお気に入り。ところが母親は古くなったクーキーは「体に良くない」と捨ててしまう。ゴミ収集車に乗せられ人里離れたゴミ捨て場へと運ばれたクーキーは、自分で体を動かせるようになり森へと逃げ込む。持ち主のオンドラの元を目指すクーキーだが、行く手には次々と邪魔者が現れ…》
なぜヤン監督は映画にパペットを用いたのだろう。「私は中学時代に趣味でよく絵を描いており、いつしかパペットを使った映画を撮ってみたいとも考えるようになったのです」。長じてプロの映画人となったヤン監督は、空中を舞うタンポポの綿毛、木漏れ日、木々でうごめく昆虫-森の中で見られるごく小さな現象や動植物の生態をしっかりとカメラで捉え、映画を作ってみたいとの気持ちをますます強めていった。「過去の監督作品で試したこともありましたが、うまくいきませんでした。それならば登場人物の大きさをいっそ小さくしてしまえばいい、と考えたのです」