関係者、公然と反対論
「東北の医療過疎の現状を踏まえ、東日本大震災からの復旧復興の核となりたい」。東北薬科大の高柳元明(たかやなぎ・もとあき)学長は27日の記者会見で意気込んだ。「超高齢化社会での地域医療に資することが新しい医学部の使命だ。学生が東北に定着し、地域医療や災害医療に貢献できるようにする」
新医学部は、被災地でしか学べないカリキュラムや、仮設住宅での健康対策の講義を予定。東北各県の病院と連携して実習を行い、卒業後の勤務地を東北地方に限定する奨学金制度を設けて、首都圏などへの医師の流出を防ぐとしている。
しかし、新医学部への理解を得ようと東北6県の医療関係者を集めた会議では、「新たな医師偏在を生む」といった厳しい意見が続出。昨年10月から7回にわたり会合を開き、学部新設への反対論が公然と飛び交い、大学側と医療関係者の溝は埋まることはなかった。
宮城県医師会の嘉数研二(かかず・けんじ)会長は「宮城は東北の中では医師が多い。他の県の医療事情に留意すべきだ」と強調する。