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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛 (2/5ページ)

2015.9.6 14:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 身についていなくて、結構なのである。東洋だってイスラムだって、ヨーロッパの「普遍」を身につけずにここまでやってきたのだ。ただ、その東洋やイスラムや日本から〈世界史〉を捉え直したら、どういう記述の作法ができるのかということは、東洋・イスラム・日本がすっかりグローバルスタンダードを受容してしまった21世紀においては、新たに求められなければならない作業になってきた。それを大澤真幸が引き受けたのだ。

 このシリーズは「イエス・キリストはなぜ殺害されたのか」という一点から始まって、その事実をヨーロッパがどう歴史化してきたのか、それはアッラーの神にもとづく社会の歴史観や価値観とどう違うのか、インド文明や中国文明は多神多仏を擁する社会のなかで、何を「普遍」とみなしたのかというふうに展開されていく。

 たいへんな構想だが、「普遍」に弱い日本人にとっても、この試みは待望されていたことなのだ。是非ともこれは書き切ってもらい、そのうえで大澤君の得意な「編集力」によって、著者自身による要約版や転換版にもとりくんでもらいたい。

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