【BOOKWARE】
本には顔がある。表紙である。日本の書籍はたいてい本表紙の上にカバーが付いているので、カバーが本の顔ということになる。タイトル、著者名、サブタイトルなどとともに、なんらかのヴィジュアルがあしらわれている。装幀家やブックデザイナーの腕の見せどころだ。
表紙(カバー)いっぱいが顔写真になっていることがある。「顔本」だ。自伝や評伝に多い。たいへんインパクトがある。1960年代の欧米の書籍が先鞭をつけた。すばらしいモノクロームの肖像写真を使っていた。リチャード・アベドン、アーヴィング・ペン、ヘルムート・ニュートンらが高い品質の写真を撮りおろし、これにタイトルタイポグラフィをすっきり入れてストレートデザインで決めていた。