「アトリエメイド」の中央に位置するのは、フランスで自ら取り寄せた1930年代のワードローブ。英国の軍人や外交官などが赴任する際に実際に帯同したもので、スーツやネクタイ、小物までコーディネート一式をそろえて収納できる造りとなっており、同じサービスを提供したいという思いが反映されている=2015年9月3日、東京都中央区銀座の松屋銀座(野村成次撮影)【拡大】
【トレンドを着こなそう!】Vol.25
松屋銀座5階のメンズフロアが15年ぶりにリニューアル、9月初めにオープンした。個人のサイズや好みにあわせた「パターンオーダー」を充実させ、「モノ作り」の現場まで踏み込んだ「ホンモノへのこだわり」を実現。松屋オリジナルに加え、百貨店初出店のインポートブランド、小物や文房具など、えりすぐりの雑貨もそろえ、ひと味もふた味も違う、トータルコーディネートを提案している。メンズバイヤーの宮崎俊一さんに活用法を聞いた。
景気回復を背景に東京都心の百貨店では8月以降、阪急メンズ東京や西武渋谷店など、メンズフロアの改装が相次いでいる。百貨店の主要顧客である女性向けに近年、ウィメンズやリビングのフロア改装が続き、「最後の砦」としてメンズフロアに着手した流れだ。
宮崎さんは他店との違いを「バイヤーが産地に出向き、職人さんとの連携を密にしている。モノ作りの原点があるところ」と話す。ターゲットは40代の管理職、またはそれに準ずる人、きちんとした見た目を意識するビジネスマン、銀座近郊を生活圏とし、休日に家族で買い物を楽しむ30代を想定。上質なアイテムをそろえ、ファッションから小物までのトータルコーディネートで、顧客の個性を良い形で引き出す狙いがある。