9月21日、首都モスクワで会談後に握手する岸田文雄外相(左)とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相=2015年、ロシア(AP)【拡大】
日本の姿勢見越す
ロシア側の立場は、「北方領土は両国の対話の対象でない。議題となっているのは平和条約の締結だ」とするラブロフ露外相の発言に鮮明に表れている。国境画定を伴わない平和条約締結は本来あり得ないため、北方領土問題は解決済みと主張しているに等しい。
ロシアが領土問題で強硬姿勢をとるのは、安倍晋三政権がプーチン露大統領の年内訪日を目指すなど、日露関係の改善に前向きであることを見越しているためだ。
ロシア側はその上で、「全般的な日露関係の発展」が平和条約問題の解決につながると強調し、経済分野などの協力を政治問題に優先させたい意向をにじませている。
国民の不満、外へ
ウクライナ南部クリミア半島を併合した昨年3月以降、ロシアではプーチン大統領の支持率が8割超に跳ね上がった。政権のプロパガンダ(政治宣伝)にもあおられ、欧米と徹底的に対峙(たいじ)して領土を拡張した行動が「熱狂」を生んだ形だ。