9月21日、首都モスクワで会談後に握手する岸田文雄外相(左)とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相=2015年、ロシア(AP)【拡大】
日本政府は、岸田氏とシュワロフ第1副首相が共同議長を務める日露貿易経済政府間委員会で、経済協力をてこに、領土交渉の進展を図りたい考えだ。ただ、領土交渉に進展がないまま、なし崩し的に経済協力を引き出されることへの警戒感もある。
日本の外務省幹部は「偏った成果ではなく、日露双方が納得できる成果が大切だ」と強調する。政府・与党内にも「ロシアが経済協力の果実をうまく食べながら、領土交渉を先送りするいつもの戦法だ」(自民党中堅議員)との批判が根強い。
岸田氏の今回の訪露は、プーチン大統領の年内来日を実現させ、安倍晋三首相との首脳会談で領土交渉を進展させるため「露払い役として派遣した」(官邸筋)。
だが、領土交渉自体を否定するラブロフ氏の対応は、日本政府の思惑を打ち砕いたに等しい。
日本の外務省幹部は、ラブロフ氏に関して「領土問題交渉で、何かを決める決定権はない」と分析している。
首脳同士で領土問題解決を図る環境整備を狙った外相会談と経済協力だが、安倍-プーチン会談への道筋は見通せていない。(SANKEI EXPRESS)