独ビベラッハの「パビリオン」と呼ぶ展示室で、「花粉の山」づくりに没頭するヴォルフガング・ライプ=2015年5月14日、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州(大西正純撮影)【拡大】
高松宮殿下記念世界文化賞の第27回受賞者が発表された。それぞれの分野で芸術表現を追求し、文化の発展に貢献してきた受賞者たちの経歴と業績を紹介する。(敬称略)
□ヴォルフガング・ライプ(65、ドイツ) Wolfgang Laib
表面をシャーレ状に削った白い大理石板に牛乳を満たす-。1975年に発表した「ミルクストーン」は、「生命とは何か」という人類普遍のテーマへの答えを含んだ鮮烈な作品。世界の注目を浴びた。
両親がインドの芸術と文化に興味を持っていたため、子供のころに一家でインドに住んだ。「そこで、すさまじい貧困を目にし、両親は南インドの村の支援を始めました」。この経験が後の自身の人生に少なからず影響を与えたという。
18歳から大学で医学を学んだが、「現代医学は主に人間の身体についての自然科学。しかし、人生において大事なのは肉体だけではないと思いました」。医学に不満を感じ、生や死、精神の問題も含めた生命の神髄を求め、24歳のときに芸術家へ転身した。