デンマークにはルネサンス期まで、固定した「首都」と言えるものはなかった。王がいる場所が首都であるが、王は国内の城を転々としており、コリングフースもしばしば王が滞在し、「王城」の一つとされていた。
100年かけ廃虚を復興
17世紀の絶対王政期に入ると、デンマークの王は各地を転々とするのをやめ、コペンハーゲンやシェラン島に居を定めた。それでもコリングフースは重要な地として王が訪れる王城であり続けた。
ところが、1808年3月、ナポレオン戦争に際し、援軍のスペイン兵が城内に駐留している最中、大火に見舞われ、建物は焼け落ちた。以来、復興されることなく廃虚の姿をさらし続けていた。
デンマークの童話作家、アンデルセン(1805~75年)が廃虚の保存を訴えたり、復興の声も上がったが、プロイセン(現在のドイツ北東部)との戦争で沙汰やみとなった。
しかし、廃虚の保存の声は根強く、1890年に城内に博物館が設立された。その後、少しずつ建物の修復が続けられ、1980年代についに復興は成し遂げられた。