緊張と重圧の「チャイコフスキー」　ロシア・モスクワ (1/4ページ)

　【Ｖｉｖａ！ヨーロッパ】

　「写真撮影はできません。ビデオなら、音が出ない場合のみ許可します」

　モスクワ市中心部の「チャイコフスキー記念コンサートホール」の係員はそう念を押した。ホール内に入ると、華やかな雰囲気のなかにも、緊張した空気がみなぎっていた。

　モスクワ、サンクトペテルブルクで６月、世界３大音楽コンクールの一つ、「第１５回チャイコフスキー国際コンクール」が開催された。バイオリン部門の最終審査では、６人に絞られた参加者が優勝を争った。

　記者は、ドイツ出身の女性バイオリニスト、クララ・ジュミ・カンさん（２８）の演奏を聴くことができた。１時間を超える熱演。聴衆も手に汗をにぎるなか、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」などの見事な演奏を披露してくれた。長時間の緊張と重圧に耐え抜く同コンクールの演奏は、「超人的な体力と技術、そして精神力が必要」と言われる。演奏終了時にのみカメラ撮影が許可されていることに気付き、ようやくホール内の様子を撮影できた。

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