【Viva!ヨーロッパ】
ビールの本場ドイツで「ゴーゼ」という、中世から伝わる伝統の地ビールが近年、注目されている。第二次世界大戦後の東西分断と統一という激しい時代の荒波の中で途絶えそうになることもあったが、地元民らの強い愛着が伝統を守ってきた。戦後70年、統一から25年の今夏、歴史の“酸味”が効いたビールで喉を潤すのも趣深い。
塩とコリアンダー
ベルリンから電車で約1時間半。ドイツ東部ライプチヒはバッハやメンデルスゾーンら有名な作曲家ゆかりの街として知られるほか、世界初の見本市が開催された歴史的な文化・経済都市だ。旧東独の民主化運動の主要な舞台ともなった。そんな街の特色に彩りを加えるもう一つの“顔”がゴーゼ・ビールだ。
ゴーゼは食塩やコリアンダーを加えたのが特徴で、「塩ビール」とも呼ばれる。各種資料によると、中部ハルツ地方の都市ゴスラーで生まれ、街を流れる小川に名前が由来する。10世紀には神聖ローマ帝国の皇帝オットー3世もその味をたたえたともいわれ、各地に普及。18世紀前半に伝わったライプチヒで大きな人気を博し、「ゴーゼの街」と呼ばれるまでになった。