国交省は「今回の水害を契機に、再び他の河川を含めて対策箇所や堤防の高さなど改修計画を見直すかもしれない」と話す。
また、04~13年の10年間で見ると、国内の全市区町村の96.8%で一度は河川の氾濫(はんらん)が起こっているといい、優先対策箇所以外も危険な場所は多い。過去10年間だけで見ても、全国では毎年計約100~700平方キロの水害による浸水被害が発生している。
ハザードマップ提供注力
しかし、財政難が続くなか公共事業費の削減で、今年度の国の治水事業費は、ピーク時だった1997年度の半分近い約7800億円まで減少している。国交省は優先対策箇所のみですら、工事完了時期の目標を定められていない状況だ。
ハード面の対策に限界があるなかで、国は住民の避難手順などを定めた行動計画の策定やハザードマップの提供などに力を入れ始め、自治体には避難勧告や指示を「空振りを恐れずに早めに出す」ことも求めた。
また、気象庁も今年7月の新気象衛星「ひまわり8号」運用開始により、予報の材料となる気象データの観測能力が大幅に向上。予報は避難誘導の根拠になることから「観測精度とともに、予報精度を上げていきたい」(気象庁)という。
いかに住民の命を守るのか。ハードだけでなくソフト対策も鍵となる。(福田涼太郎/SANKEI EXPRESS)