冠水したままの道路を歩く人たち=2015年9月13日午前、茨城県常総市(共同)【拡大】
関東・東北水害で、大きな被害が出た茨城、栃木両県では13日も行方不明者の捜索が続き、新たに男性3人の死亡が確認された。このうち1人は、茨城県常総市(じょうそうし)が鬼怒川(きぬがわ)の堤防決壊前に避難指示などを出していなかった地域で発見されたことも判明。常総市の高杉徹市長は記者会見で、避難を求めなかったことに「行政上のミスだった」と認めて謝罪した。
警察によると、常総市では、新石下の浸水した水田で布施政昭さん(51)を通行人が発見。堤防が決壊した三坂町でも、近所の人が身元不明の男性を見つけた。栃木県栃木市では、冠水した田畑に水没した車から市内に住む小倉治さん(68)の遺体が見つかった。
堤防決壊後に常総市で犠牲者が確認されたのは初めてで、一連の水害による死者は宮城県2人、茨城県2人、栃木県3人の計7人となった。
堤防は10日午後0時50分ごろ、常総市三坂町で決壊。市は、三坂町の8地区約450世帯のうち、中三坂上など2地区の約100世帯の住民には午前10時半に避難指示を出していたが、上三坂など6地区約350世帯の住民には決壊後の午後2時55分になってから出していた。川の東側の住民に、川がある西へ逃げるよう促していたことも分かっている。