モスクの近くで、ハトの餌を売る女性にも出会った。イスラム教には弱者や困窮者を助ける精神がある。仕事も、収入の高い・低いだけでなく、さまざまに細分化され、それぞれをみんなが必要としている。「彼女たちにお金を渡すことが、仏教的に言えば徳を積むことにもつながる。分け隔てなく相手を受け入れ、支え合う精神は、僕たちが失ってしまった何かを教えてくれているような気がしました」
住宅街に現れた2018年完成を目指す国際金融センターは、東京ドーム53個分の広さ。マンション建設が進められ、不動産価格は上がる一方だ。イスタンブールは、アラブの産油国から流れ込む、多額のオイルマネーによって、国際商業都市へと姿を変えつつあった。それでも、2000年以上にわたり、人と文化を受け入れ続けてきた、トルコの人々の悠然とした心のありようが、井浦さんの心に響いたようだ。(文:ライター 永峰美佳/撮影:俳優・クリエイター 井浦新(いうら・あらた)/SANKEI EXPRESS)