ホワイトハウスで共同記者会見に臨むバラク・オバマ米大統領(右)と中国の習金平国家主席=2015年9月25日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
バラク・オバマ米大統領(54)は25日、国賓として招いた中国の習近平国家主席(62)とホワイトハウスで会談し、中国による南シナ海の岩礁埋め立てに「重大な懸念」を伝えた。習氏は「中国固有の領土だ」と反論して埋め立てを正当化。議論は平行線に終わった。サイバー問題では知的財産を狙う攻撃の禁止を確認し、閣僚級の対話メカニズム創設で合意。経済や温暖化対策での連携を確認した。
会談後の共同記者会見で、オバマ氏は「習氏から人民元の(再度の)切り下げは避けるとの話があった」と明らかにした。8月の切り下げが世界経済の動揺を招いたことから、習氏は世界経済へ配慮する立場を説明したもようだ。習氏はことしの中国の経済成長率が政府目標の7.0%に達するとの見方を示した。習氏は会談で、温暖化対策を進めるため、発展途上国に対し200億元(約3790億円)の金融支援を表明した。
サイバー犯罪などに関する閣僚級対話は年末までに初会合を開催し、来年以降は年2回開く。米政府が中国発のサイバー攻撃を批判していることを踏まえ、両政府は企業秘密などの窃盗行為をしないと確認。サイバー犯罪に関する情報提供や捜査で協力することでも一致した。
中国は南シナ海の大半を囲い込む「九段線」内を管轄権の範囲に設定しており、島々の領有権を主張。両政府は南シナ海上空などを念頭に両国軍用機の偶発的な衝突を回避する措置で合意した。