シルクロードの交易都市だった古都シェキに到着。石垣とテラコッタでできた町では夏の観光リゾート化が推し進められ、山の方まで開発が進んでいた。高い技術を持つシュベケ(ステンドグラス)の職人親子の工房を訪れた。息子はiPhoneで音楽を聴き、人見知りをするいまどきの青年。「面と向かって『オヤジすごい』なんて、まだ言いたくない」という複雑な年頃だ。「一見仲が悪そうだけれども、伝統を背負いながらじかに技術を受け継いでいる。すてきな2人に思えました」
≪オイルマネーの輝き つきまとう影≫
首都バクーまで40キロの地点で夜、火を噴いている場所が見えた。2006年トルコまでパイプラインがひかれ、国に飛躍的な経済成長をもたらした、アゼルバイジャン最大の石油基地だった。撮影しようと下車したら、ただちに警報が鳴った。「ここから以降、僕たちの旅は何をしても『ちょっと待て』と声をかけられ、動きづらくなっていきました」
バクーには、国の人口の20%が集中している。光り輝くネオン。真っ赤な炎をかたどったフレームタワーは、「火の国」と呼ばれるアゼルバイジャンのシンボルだ。一夜明けて、日本と変わらない時間の流れが突然やってきた。ヨーロッパを思わせる、洗練された町並み。海外の有名ブランドの店がずらりと並び、富裕層がショッピングを楽しむ。