爆撃を受けた国境なき医師団の病院=2015年10月3日、アフガニスタン北部クンドゥズ(国境なき医師団提供・共同)【拡大】
「やむを得ず」の姿勢
集中治療室(ICU)のベッドで炎に包まれる患者や同僚の死を目の当たりにし泣き続けるスタッフ-。北部クンドゥズにある国境なき医師団(MSF)の病院に勤める男性看護師は、空爆の様子を振り返った。「どれほどひどかったか、言葉が出ない」
アフガン内務省や国防省はタリバン兵が病院の建物に入り込み、治安部隊に抵抗を続けたと説明した。病院が空爆の標的となったことをやむを得ないとする姿勢もうかがえる。
実際、ガニ政権には焦りがあるとみられる。9月28日のタリバンによるクンドゥズ制圧は2001年の新政府発足以来の失態。政府軍が奪還したとするが、散発的な戦闘が続く。軍と警察が互いにののしり合い、国会議員も重要都市の陥落を許した政権に批判を強めている。
ガニ政権は昨年9月の発足直後、カルザイ前政権が拒否していた「安全保障協定」を米政府と交わし、15年以降の米軍駐留の継続を可能にした。米軍撤退後の深刻な治安悪化への不安をいったん収めた形だった。だが今回のような市民の犠牲が増えればさらなる政権批判や反米感情の高まりにつながる可能性もある。