広大な草原の中の所々に顔をのぞかせているゴツゴツとした黒い溶岩。時たま見かける木は、溶岩の台地を無理やりこじ開けて生えたかのように幹がねじ曲がり灰色がかっていた。草原の向こうにはなだらかな山がそびえ、山頂付近は雲の中に隠れていた。
東京から約6500キロ。米ハワイ諸島で最大の面積を持つハワイ島(通称・ビッグアイランド)は、「ホットスポット」と呼ばれるマグマの噴出口の上に位置し、地球のエネルギーを肌で感じることができる島だ。
ハワイ島南部に位置する人気スポット「ハワイ火山国立公園」は、活発な噴火活動が続くキラウエア火山を擁し世界自然遺産にも登録されている。園内には溶岩でできたトンネルや、噴煙を上げるハレマウマウ火口を見ることができる。
溶岩トンネルは、ハワイ島の火山の特徴である粘性の低いマグマが噴火で流れる際に、外側表面が空気で冷やされて固まり、その内側をマグマが通り抜けることでできた。トンネル内に入るとひんやりと冷たい空気が流れ、天井からは木の根が垂れ下がっていた。