首都アブダビで世界記憶遺産の審議に臨むユネスコ国際諮問委員会の委員ら=2015年10月5日、アラブ首長国連邦(共同)【拡大】
国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に中国が登録申請していた「南京大虐殺文書」が登録される見通しとなったことが9日、わかった。日本政府関係者が明らかにした。「慰安婦関係資料」の申請は却下される方向となった。これらの方針は、新規登録の可否を判断する国際諮問委員会(IAC)がユネスコのボコバ事務局長に勧告した内容で、ボコバ氏も追認したという。近くユネスコが正式に発表する。
「南京大虐殺文書」の登録によって、中国は国際機関の“お墨付き”がついたとして、歴史認識問題において新たな日本攻撃の材料を得ることになる。中国は今年、抗日戦争勝利70周年の記念行事を盛大に展開しており、今回の登録を成果として大々的に宣伝するとみられる。
日本政府は中国からの2件の申請について、ユネスコ関係者に「ユネスコの政治利用になりかねない」として慎重な審査を求めていた。中国に対しても申請の取り下げを求めていた。
中国外務省は昨年6月、国内の公文書館などが共同して南京事件と慰安婦に関する写真や日記などを申請したことを公表した。